発達障害グレーゾーンという狭間で

発達障害グレーゾーンの息子と夫がいます。息子が、以前行っていた【脳のトレーニング】のことやグレーの濃い夫の愚痴なども吐き出しています。

新幹線殺傷事件の犯人が発達障害だったことから

新幹線での
衝撃的な事件が起こってしまいましたね。



その犯人が発達障害



そして自閉症スペクトラムだった。



自分の息子くんと一緒に考えること自体が
おぞましく、ありえないと思いながらも


息子くんと同じような困り事が
あったということで、報道をいろいろ見てみました。



犯人の彼は、言いたいことが
言葉として出なかったことのストレスがあったのではないか、
ということを言われていて、怒りのコントロールができなかったのでは、と言われています。



そういったことは
息子くんにもあることです。




だから、最初に何よりも
犯人が5歳で発達障害とわかっていながら
それを何もせず、そのままにした親に大きな憤りを感じました。




そして犯人に関わっている
親族たちの『他人の事』のように語る姿に
わたしは、そこに根本の原因を見た気がします。


息子くんも
自分ではどうしていいかわからないストレスを
抱えて帰ってきては、わたしにぶつけました。


たぶん
自分を無条件に
なにがあっても、受け入れてくれる
そう思ったから、してきたことなんだと思います。



でも一度



「ママは僕のこと、嫌いになる?」



そう聞かれたことがありました。



母親として、器が足りずに
毎日バトルで、怒鳴りつけていたからだと思います。





「息子くんを嫌いになることは、絶対にない」


「ずっとずっと何があっても、大好きだよ」




その時は
叱り方をとても反省して
息子くんに愛情を伝えました。



「どこか通じ合えていない」



わたしも息子も
そう思っていたような
気がした時期だったんです。


だから、息子くんは
確認して安心したかったんでしょうね。



息子はわたしに
精一杯、当たり散らした。



でも、もし犯人のように
そのフラストレーションを
誰も、全く受け止めてくれなかったら?



うまく伝えられない息子くんを
親はただ非難するばかりで、挙句にもう一人いる(うちはいないけど)
子供ばかりを可愛がったとしたら?




いくら彼なりに訴えても
親には伝わらなくて、それを親がスルーし続けたら?




そう考えると
全くの他人事とは思えないんです・・・。



そして犯人の彼は
家族に一度、刃物を持って訴えたんだと思います。



口で言えない彼が
思いついた間違った訴え方です。



結果、それが
余計に彼のことを
親が突き放すキッカケになってしまったような気がします。



というのも、その時に
子供との距離を取るように
警察から言われたという話でした。




それって本当に
効果があるんでしょうか…?




ただ親の身の
保守のためでしょうか?




そしたら
更に親に対しての
不信感と絶望が増すだけのような気がします。



それでも向き合わない
親だったということなのでしょうか・・・



もしかしたら親が
発達障害ということを言われて
ショックを受けて、受け入れ難かったとか、

そう言われたとしても、
何をしてやればいいのか、わからなかったとか



せめて、そういった理由があって欲しいと思う。




じゃないと
親が問題を起こすからと言って



子供を受け入れなくなるという理由だけなら
発達障害に生まれた彼が、その部分だけは



かわいそうに思えてならない・・・




もちろん、親になりきれない親の元に
発達障害で生まれて育ったからといって
こういった犯罪者になるわけではないと思う。



でも、そのちょっと違った向きが
先に向かうにつれて、大きく方向が違った所に向いてしまった


そういう理由のような
気がしてならないのです。



そして、息子くんを含めて、発達に凸凹がある場合に
楽しいこと、やりたいことに対しては貪欲だなと感じることがあります。


それは、人によって
例えば、知識欲に向くこともあるし
ある事に対しての、研究に向くこともあるんだと思う。


真っ当な向きであれば
社会に貢献できることもあるんだと思います。


それを
ただ放置してしまったがゆえに
あんなことになってしまった気がするんです。


あんなことをするような人間のことを
わかりたくはないけれど


わからなくもない・・・・・・


だからその原因は
そんなに難しいことではなくて


犯人は母親に、そして父親に
自分を受け入れて、認めて欲しかったんではないのかなと。



それは祖母でも
伯父でも、できなかったんだろうなと。


でもこういったことを
どうしたら起こさない人間にならなかったのか?
ということが大事なのですよね。


わたしが個人的に思うことですが、もし犯人が


「この人は自分のことを理解してくれる」

「信用できる人だ」


そう思えるような人が
彼の人生に現れていたら
違ったのかもしれないと思いました。



本来、母親と父親が
そういった立場の人間であって

自分を一番に心配し
一番に理解してくれるというのが
理想ではあるのですが・・・。


そうではなかったから
彼は、まず家族に牙をむいたんでしょうね。


でもダメだった。



そして
親戚もそこまで親身ではなかったんだと思う。



だって「死にたい」という人に

「何でそんな気持ちになってしまったんだろう?」

「そんな気持ちにさせてしまった原因は、何なのだろう?」


そう言って
一緒に泣いて
一緒に考えてあげた様子はなかったんですもの。



お金を与えても
生き方を説いても
彼の為にはならなかったんだと思う。



もしかしたら
それを理解することができるほどに
本当は、彼は成長ができていなかったのかもしれない。



怖いけれど、とてもシンプルに
そういうことなのかもしれないなと思いました。



息子くんは凸凹がグレーゾーンですが
犯人は5歳でわかるぐらいに濃い発達障害だったわけです。


犯人は
頭のいい人だったようです。



その頭の良さを
違った方向にもっていけていたら
彼の人生は違ったんだろうなと。



そこが
表裏一体なんだと思います。



自分の息子を
犯罪者にしないためにも
向き合っていこうと、改めて思った出来事でした。


これは
発達障害のグレーゾーンの息子を持つ
母親の個人的な意見です。



そんな考えもあるんだなぐらいに思ってください。