発達障害グレーゾーンという狭間で

発達障害グレーゾーンの息子と夫がいます。息子が、以前行っていた【脳のトレーニング】のことやグレーの濃い夫の愚痴なども吐き出しています。

小学校高学年の困り事と違和感

息子くんは
ほぼ毎日、仲良くなった男の子と
遊びに出かけていました。



その男の子との関係は
わたしから見ると『仲良し』というものではなく
『王』と『下僕』の関係でした。



その男の子が言います。


○○して遊びたい


息子は違うことをしたかったので


え~・・・いやだ。だって××しようって言ってたじゃん



でも
その男の子は引き下がりません。



「いいじゃん!いいじゃん!ね!お願い!」



息子が無言でいると


「一生のお願い!」


それを連呼しています。



「わかった・・・」


息子は渋々、納得。



そんなやり取りが
ほぼ毎回でした。



でも、わたしは
それも人と付き合いを持つのに、必要な学びと思っていました。



息子が不利な思いをして
自己主張をしないとこういう目に合う


それを学ぶにはいいことだと。



でも息子には
その学びは高度すぎたようでした。










そんな、ある日
我が家に来たその男の子が、帰りがけに鍵を忘れたことがありました。



玄関をチャイムも鳴らさずに
無言で勝手に開けて、その子が叫びます。



ねー!息子!鍵持って来て




ずっと我慢してきたわたしの
堪忍袋の緒が切れました。




「あのね、○○くん。息子はあなたの奴隷でも召使でもないの!

それに人の家の玄関をチャイムもなく、勝手に開けるのは非常識!自分で鍵は取って帰って!




どうにも我慢ができませんでした



息子は小さくなって
まるで自分が叱られているようでした。






でも




でも





わたしは自分を止められなかった。




我慢のきかないダメな母親です。



そして、これをきっかけに
事態は最悪な方向に向かっていくんです。



その男の子は、
我が家で遊ぶことはしなくなりました。


その代わり
自分が「俺様ができる」男の子の自宅で、息子と遊ぶようになったんです。







すると
毎日、帰宅時間の約束の
17時をまわっても、帰ってこなくなりました。



酷い時は19時を過ぎてしまって
真っ暗な中、走りまわって探したりもしました。




でも毎回
反省して、わたしに言うんです。

ママ、大丈夫だよ。僕、今日は絶対に時間守るから



そう言って
毎回、帰ってこないんです。



すっかり忘れて
本当に、忘れて。



家を出る時ですよ、あれ言ったの。


あり得ます?


おかしいでしょう。



息子に感じた初めての違和感でした。



パパが休みの時に
何度もそういうことがあって



数日の出禁はしょっちゅう。



最長、一か月の出禁をしたこともありました。




もう、自分の息子ながら
信じることができませんでした。



でも
いつかわかってくれる。





そう思いながら
向かえた5年生。





息子は、その男の子と
事件を起こしました。




そして、そのことに
他に2人の男の子を巻き込んで
警察のお世話になることをしたんです。




その日は、息子くんは帰ってすぐに遊びに行って
わたしは、間もなくやってくる息子の誕生日のために
予行練習と、自宅でケーキを焼いていたんです。



突然の連絡でした。





そして、事件の時に
わたしの違和感が確実なものになりました。



事情を聞かれたり、
先生や警察の方にお話されている時に
息子だけが他の子とは、はっきりと違った行動、言動をしたんです。



一つ、具体的に言うと
もうバレているのに、1人だけまだ『ごまかそう』としてました。




あ~たぶんこれは
あの男の子が、前に何かそうやって
ごまかしが利いたんだろうな、と息子の言葉でわかりました。



ここでも
息子くんは完コピだったんです。




それと、そこでも
その男の子は、息子をいいように使っていたことがわかりました。




もしかしたら
息子に1人、罪を被せる気だったのかも。




これで何もしなかったら・・・


息子は大人になっても、この感じのままだったら・・・



もう刑務所行は免れないだろうと思いました。




息子に聞きました。



ダメとわかっていて、どうして?



息子くんはこう答えます。




だって、やってみたかったんだもん



楽しそうだったんだもん



やってみたら、楽しかったんだもん




あ~・・・・もうダメだ。



このまま大人にしちゃいけない。




息子の
どこかの、何かを、どうにかしなければ、と。




でも無責任に
先生も、みんな言うんです。



経験させて
学ばせるしかない
って。



じゃあ、少年院も経験させるしかないんですか?



本気で聞きました。


いや、大丈夫でしょう




え?

どうしてそんなことが言えるの?

そんなことがわかるの?

もう
既に警察のお世話になったんだよっていうのに?




誰も答えられませんでした。



それで、パパにも言いました。


それはもう仕方がない。そしたら、少年院も経験させるしかないだろう



わたしは絶望の中にいました。


大変な思いして
産んで、ここまで育てて。


わたしは犯罪者になる予定の
息子を産んで育てたわけじゃない。


毎日、毎日
泣きながらあちこちに相談して
その行先を探す事になったんです。